テレビについて調べてみた件

テレビは、テレビジョン及び「テレビ受像機(テレビジョンセット、英: television set)」の略語。一般には次のような文脈で用いられる。

  • テレビジョン:放送あるいは通信や遠隔監視に使用される、遠方へ映像を送る技術(映像機器を含む)。本項で詳述。
  • テレビジョン放送:主として動画を電波を使って、不特定多数のために放送する仕組み。通常は動画に加えて音声、あるいはデータ等の付加情報を送ることができる。電波を使用せず有線で送出するケーブルテレビ(CATV)もある。本項で詳述。
  • テレビジョン放送で送られる番組(プログラム)。⇒テレビ番組を参照。
  • テレビジョン放送を視聴するための受信機。⇒テレビ受像機を参照。
  • 語源・定義

    「テレビジョン」はフランス語のtelevision(テレヴィジオン)に由来し、「TV」と略されることも多い。なお、tele-(τηλε)はギリシア語の「遠く離れた」、「vision」はラテン語で「視界」の意味である。

    日本の電波法では「テレビジョン」は「電波を利用して、静止し、又は移動する事物の瞬間的影像を送り、又は受けるための通信設備」と定義されている。また放送法ではテレビジョン放送は「静止し、又は移動する事物の瞬間的影像及びこれに伴う音声その他の音響を送る放送(文字、図形その他の影像(音声その他の音響を伴うものを含む。)又は信号を併せ送るものを含む。)」と定義されている。

    テレビの歴史

    1800年代

  • 1843年 – スコットランドのアレクサンダー・ベイン、静止画像を走査し電気信号に変換して、電送する装置を開発(FAX参照)。
  • 1873年 – イギリスで明暗を電気の強弱に変えて遠方に伝えるテレビジョンの開発が始まる。
  • 1875年 – アメリカのジョージ・ケリー、並列式の機械走査の概念を提案。
  • 1877年 – アメリカのウィリアム・ソーヤー、直列式の機械走査の概念を提案。
  • 1884年 – ドイツのポール・ニプコー、直列式の機械走査を実現する「ニプコー円板」の発明。
  • 1896年 – イタリアのグリエルモ・マルコーニが電磁波を使って、3km離れた地点間でモールス信号の無線通信実験に成功(無線通信参照)
  • 1897年 – ドイツのフェルディナント・ブラウン、テレビの受像管に用いる陰極線管であるブラウン管の発明。
  • 1900年代

  • 1907年 – ロシアのボリス・ロージング、ブラウン管によるテレビ受像機を考案し特許出願。
  • 1908年 – イギリスのキャンベル・スウィントン、撮像側にも陰極線管を使った電子式走査法の概念を科学雑誌Natureに発表。全電子式テレビジョンを示唆。
  • 1911年 – ボリス・ロージング、世界で初めてブラウン管を用いたテレビの送受信実験を公開。撮像に機械式のニプコー円板と受像に電子式のブラウン管を用いた。簡単な図形の輪郭の受像に成功。しかし実用レベルの受像に至るには、映像を電気信号に変換する光電管や、その信号を増幅する真空管の発達を待たねばならなかった。
  • 1923年 – アメリカへ亡命したロシアのウラジミール・ツヴォルキン、電子走査式撮像管アイコノスコープを考案し特許出願。
  • 1925年 – スコットランドのジョン・ロジー・ベアード、機械式テレビの開発。撮像と受像に機械式のニプコー円板を用いた。見分けられる程度の人間の顔を送受信することに成功。
  • 1925年 – アメリカのチャールズ・フランシス・ジェンキンスが機械式テレビの画像を8km離れた地点間で無線送受信する公開実験を行う。
  • 1926年、ジョン・ロジー・ベアード、ロンドンの王立研究所で動く物体の送受信の公開実験に成功。同年12月25日 – 浜松高等工業学校の高柳健次郎が電子式テレビ受像機(ブラウン管テレビ)の開発。撮像に機械式のニプコー円板を、受像に電子式のブラウン管を用いた。「イ」の字を表示させる。
  • 1927年 – アメリカのフィロ・ファーンズワース、電子式テレビ撮像機の開発。電子走査式の撮像管「イメージディセクタ」による映像撮影に成功。ブラウン管に「$$」を表示。同年、撮像・受像の全電子化が達成される。
  • 1928年 – ジョン・ロジー・ベアード、カラーテレビの公開実験に成功。
  • 1929年 – 英国放送協会(BBC)がテレビ実験放送開始。
  • 1931年 – NHK技術研究所でテレビの研究開始。
  • 1932年8月 – イギリスで世界初の定期試験放送(機械式、週4日)開始。
  • 1933年 – アメリカのウラジミール・ツヴォルキンがアイコノスコープを開発、野外の景色を撮像することに成功。
  • 1935年 – ドイツで定期試験放送開始。ベルリンオリンピックのテレビ中継が行われる。
  • 1936年 – ハンガリーのKalman Tihanyi、プラズマテレビの原理を示す。世界初のフラットディスプレイの概念。
  • 1939年3月 – 日本でテレビ実験放送開始。
  • 1939年5月13日 – NHK放送技術研究所による公開実験。
  • 1940年4月13日 – 日本初のテレビドラマ「夕餉前」の実験放送。
  • 1941年3月 – 米国でNTSC方式の白黒テレビ放送開始。
  • 1945年 – 「日本のテレビの父」と言われる高柳健次郎らによって戦前より始められていた日本のテレビ研究が敗戦直後にGHQにより禁止される。
  • 1946年 – 7月に禁止令が解除され、11月よりNHKがテレビ研究を再開。
  • 1950年代 有馬哲夫の『テレビの夢から覚めるまで』によれば、50年代に米国でテレビが一般家庭に普及し始めた頃、米国の人々は大真面目に以下のように思っていたという。
  • 1950年 – 電波法、放送法、電波監理委員会設置法の電波 3法施行。
  • 1951年 – GHQの要請により電波監理委員会メンバーが視察のため渡米。アメリカから3人のコンサルタントが来日。軍事戦略のひとつとして占領国でのテレビ放送利用を重要視していたアメリカの圧力によりアメリカ式の技術標準が日本で採用される。
  • 1953年
  • 1月 – シャープが国産第1号のテレビTV3-14Tを発売。価格は175,000円。
  • 2月1日 – 日本放送協会(NHK)のテレビ放送開始(日本での地上波テレビ放送の開始)。
  • 8月28日 – 日本テレビ、テレビ放送開始(民放での初のテレビ放送の開始)。またテレビ画面が裏返しに映る日本初の放送事故が発生した。
  • 12月 – 米国でNTSC方式のカラーテレビ放送規格の成立。
  • 1954年1月23日 – アメリカNBCが、NTSC方式によるカラー本放送開始。
  • 1955年4月1日 – ラジオ東京(KRT・KRテレビ、現:TBSテレビ)がテレビ放送開始。
  • 1956年12月 – NHKのカラーテレビ実験放送開始(UHF帯を使用)。
  • 1957年
  • 11月1日 – 日本教育テレビ(NET、現:テレビ朝日)設立。
  • 11月18日 – 富士テレビジョン(開局前の1958年12月にフジテレビジョンに改称)設立。
  • 12月28日 – NHK東京、日本テレビがカラー試験放送開始(通常テレビのVHF帯)。
  • 1958年12月23日 – 東京タワーから放送開始。
  • 1959年
  • 1月10日 – NHK教育テレビジョン開局。
  • 2月1日 – 日本教育テレビ(NET、現:テレビ朝日)開局。
  • 日本では教育分野へのテレビ利用が検討され始め、教育局、準教育局として開設される局が多くなる。
  • 3月1日 – フジテレビ(略称:CX)開局。
  • 前年1958年からこの年にかけて多くの局が開設され、4月10日の皇太子明仁親王(今上天皇)御成婚の中継をきっかけにテレビ受像機が一般に普及し始める。同時期に、JNNを始めとするニュースネットワークが結成される。
  • この頃より、東映を除く映画会社が、テレビへの作品販売や所属俳優の出演を拒否したため、代替としてアメリカ製のホームドラマや西部劇などのテレビ映画が大量に輸入され、各局の主力番組として放送された。この状況は1970年頃まで続き、高い人気を得た作品も少なくない。
  • 1960年9月10日 – カラー本放送開始(NHK=東京、大阪の総合、教育両テレビ、日本テレビ、TBS、読売テレビ、朝日放送)。日立製作所、国産カラーテレビ「ポンパ」を発売。キャッチコピーは「色は日立の御家芸」。
  • 1964年4月12日 – 財団法人日本科学技術振興財団テレビ局開局(通称:東京12チャンネル、別名:科学テレビ、略称:TX、後に東京12チャンネルを経てテレビ東京)。
  • 1967年 – PAL・SECAM方式によるカラー放送開始。
  • 1968年
  • 2月20日 – 日本初のUHF局としてNHK徳島教育テレビ運用開始。
  • 5月5日 – 琉球放送・沖縄テレビがカラー放送開始。
  • 8月12日 – 日本初の独立UHF局として岐阜放送がテレビ放送開始。
  • 1969年 – 日本のテレビ受像機生産台数が世界1位になる。
  • 1970年 – NHK、東京と大阪でNHK UHFテレビ実験局(UHFテレビ放送の試験運用)を開始(1975年4月まで)。
  • 1973年11月1日 – NETテレビ(日本教育テレビ。後のテレビ朝日)と東京12チャンネル(後のテレビ東京)が総合テレビ局化。
  • 1978年9月28日 – 日本テレビが世界初の音声多重実用化試験放送を開始(その後、NHK、読売テレビ、他の在京民放等が続き、後にNHKは1986年までに全国へ 民放は北海道の一部地域を除いて全国へ拡大。なお、民放各局でもこれまでアナログ放送で行われていなかった北海道の一部地域(札幌圏以外の残りの地域)でも2007年10月1日以降の地上デジタル放送の中継局開設によりNHKだけでなく、地上デジタル放送のみだが、民放各局でも音声多重放送が受信可能となった)。
  • 1982年 – エプソンがテレビ付き腕時計「テレビウオッチ」を開発。
  • 1983年 – エプソンが液晶ポケットカラーテレビ「ET-10」を開発。世界初のTFT液晶テレビ。
  • 1984年5月12日 – NHKが衛星放送(BS)の試験放送を開始。1989年6月1日から本放送を開始。
  • 1990年11月30日 – 日本初の民間衛星放送局・日本衛星放送(JSB・WOWOW)が試験放送を開始。翌年4月1日より有料の本放送を開始。
  • 1991年11月25日 – BSハイビジョン試験放送開始。
  • 2000年代

  • 2000年12月1日 – 11:00、BSデジタル放送が放送を開始。
  • 2003年12月1日 – 11:00、東京、名古屋、大阪を中心に地上デジタル放送を開始。
  • 2006年4月1日 – 11:00、地上デジタル放送が既に開始されている地域を中心に移動体受信機向けの地上デジタル放送、通称「ワンセグ」開始。
  • 2007年10月1日 – BSアナログハイビジョン放送終了。
  • 2009年6月12日 – 米国でほとんどのNTSC方式の放送停止。ATSC方式デジタルテレビ放送へ全面移行し68年間の歴史に幕を降ろす。
  • 2011年7月24日 – 12:00、東日本大震災の被災3県(岩手、宮城、福島)を除く44都道府県で地上アナログ放送終了。
  • 2012年3月31日 – 12:00、東日本大震災の被災3県(岩手、宮城、福島)が地上アナログ放送終了し、日本全国で完全デジタル化が完了した。これで、日本のアナログ放送は完全に廃止され、約60年の歴史に幕を閉じた。
  • テレビの技術

    媒体

  • 地上放送:地上の送信所から放送する放送方式。
  • 日本で地上アナログテレビ放送:1953年から放送されていた方式。東日本大震災の被災3県を除き2011年7月24日に停波され、被災3県では8か月遅れとなる2012年3月31日に停波され、日本全国で完全デジタル化が完了した。
  • 地上デジタルテレビ放送:日本で2003年12月1日より本放送を開始した現在の方式。
  • 衛星放送:人工衛星(直接放送衛星(DBS)、通信衛星(CS))から放送する放送方式。
  • ケーブルテレビ(CATV)
  • 伝送方式

  • アナログ放送:カラー方式やパラメータに違いはあるが、衛星放送以外は基本的にどれも、アナログコンポジット映像信号をアナログ変調(振幅変調#残留側波帯、VSB)で、アナログ音声信号をアナログの周波数変調(FMラジオ放送と基本的に同様の方式)で伝送する放送方式(衛星放送は映像はFM、音声はデジタル)。
  • 世界の放送方式
  • NTSC
  • PAL
  • SECAM
  • MUSE:アナログハイビジョンのディジタル圧縮アナログ伝送方式。
  • デジタル放送:すべての映像・音声・付加情報をデジタル変調方式(OFDM、QPSK、QAMなど)で伝送する放送方式。日本ではISDB(統合デジタル放送)とも呼ばれる。
  • 放送機器

  • テレビ受像機 – いわゆる「テレビ」。受信機ないしTVチューナーと、ビデオモニターが一体化した機器。
  • ビデオレコーダ – 家庭用のレコーダの大半がテレビ受信機能を持っており、放送映像の記録に便宜を図っている。
  • TVチューナー
  • テレビ送信機
  • テレビ送信アンテナ
  • STL(Studio-Transmitter Link)
  • 主調整室(マスター)
  • マトリクススイッチャー(ルーティングスッチャー)
  • 多重化装置(MUX)
  • 限定受信システム
  • データ放送システム
  • CMバンクシステム
  • 自動番組制御装置(APS, APC)
  • 番組バンクシステム
  • ビデオサーバ
  • ビデオテープレコーダ
  • 緊急警報放送システム
  • 回線システム
  • 副調整室(サブ)
  • プロダクションスイッチャー
  • ビデオカメラ
  • テロップ挿入装置
  • 照明装置
  • 営業放送システム
  • FPU(Field Pickup Unit/マイクロ波中継装置)
  • 画質

  • 標準テレビジョン放送(SDTV)
  • 従来のアナログテレビ放送(NTSC・PAL・SECAM)
  • クリアビジョン(EDTV):画質改良版NTSC放送。暗部画質の改善、重畳されたゴーストクリア基準信号を元に演算を行いゴーストを低減させる。
  • ワイドクリアビジョン(EDTV-II):画質改良版クリアビジョン放送。水平・垂直・時間軸の情報量を増やすことで画質を改善。16:9放送、NTSCと順次走査を両立。
  • 高精細度テレビジョン放送(HDTV)
  • デジタルハイビジョン(ISDB):日本で2000年12月1日より実施された衛星デジタル放送、2003年12月1日より実施された地上デジタル放送におけるデジタル方式のHDTV放送方式の愛称。
  • ハイビジョン:放送衛星によるアナログ(MUSE)方式のHDTV放送の愛称。日本で2007年9月30日に放送(番組送出)終了し、同年10月31日に完全停波となった。
  • 音量

  • 音量の平均化
  • デジタルテレビ放送はダイナミックレンジが広く高品質な伝送が可能であり、CM放送時の音量が前後の番組より大きくなる場合があるとされるが、日本民間放送連盟は2012年10月1日から番組とCMの全体の音量を平均値として一致させる基準を採用する。CMと番組それぞれの音の大きさとして感じるラウドネスの数値をラウドネスメーターで測定し平均値を揃える。
  • 付加情報

  • 音声多重放送:ステレオ音声、あるいは2言語(例・日本語と英語)の音声を流す。コールサインはJOAX-TAM(日テレの場合)のように”-TAM“がつく。
  • 文字多重放送:画面上部の見えない部分(垂直帰線期間内)に文字情報や簡易図形情報を重畳。コールサインはJOCX-TCM(フジの場合)のように”-TCM“がつく。
  • クローズドキャプション:広義には文字多重放送全般。狭義には米国の文字放送のことで、中大型テレビには法律でデコーダの内蔵を義務づけられている。
  • 緊急警報放送システム:災害時に専用の受信機を起動、停止させる特殊信号。
  • 視聴方法

    放送の受信はアンテナまたはケーブルテレビ局などから信号を受け取りチューナーで選局され映像信号に変えられて、テレビ受像機やDVDレコーダー等の録画機に導かれる(一般に録画機は再生機能も持つが、ここでは録画機と表記する)。

    アナログ放送もデジタル放送も次の機能や機器によって受信し視聴や録画を行うのは同じことである。

  • チューナーから映像・音声信号をテレビに接続し視聴する。
  • チューナーから映像・音声信号を録画機を経由してテレビに接続し視聴、録画する。
  • チューナーから映像・音声信号を録画機に接続し録画のみを行う。
  • チューナー内蔵録画機から映像・音声信号をテレビに接続し視聴、録画する。
  • チューナー内蔵テレビで直接視聴する。
  • チューナー内蔵録画機で録画のみを行う。
  • かつては地上アナログ放送専用のチューナーと呼ばれる単体商品も存在した。これはゴーストキャンセル機能の強化や、音声多重機能のないテレビやビデオデッキに対しその機能を提供する目的で製造されていた。エントリークラスでもテレビで5万円、家庭用ビデオデッキで10万円を下らなかった時期に登場したものだが、NEC等1990年代に入っても生産していたメーカーも存在する。

    視聴時間

    2005年度のフランス・カンヌで開催されたテレビ番組の国際見本市「MIPTV」で発表された統計によると、世界で最もテレビを見る時間が長いのは日本人で、1日のテレビ視聴時間は平均5時間1分だった。2位は米国で4時間46分。世界平均は米国より90分少ない。最下位は中国とスウェーデンの2時間30分だった。

    テレビ離れ

    テレビ番組の制作

    テレビ番組の制作に関連する項目には次のようなものがある。詳しくは制作スタッフを参照。

  • テレビジョン放送局
  • 放送作家
  • 制作プロダクション
  • 番組コーディネーター
  • プロデューサー
  • ディレクター
  • アシスタントディレクター
  • アナウンサー
  • 俳優
  • タレント
  • アイドル
  • 歌手
  • 身体と精神の健康に与える影響

    心疾患

  • オーストラリア、メルボルンのベーカーIDI心臓・糖尿病研究所のデビッド・ダンスタンによると、テレビの視聴が1日2時間未満の人と比べて、4時間以上の人は、あらゆる要因によって死亡する危険性が46%高い。また、心疾患にかかる危険性は80%高い。また、小型モニターの長時間視聴は心臓の負担になる。調査は8,800人を対象に6年間にわたって行った。年齢や性別、喫煙、体重、運動などの影響は除かれている。
  • 肥満・食生活

  • 米国ハーバード公衆衛生大学栄養学部のフランク・B・ルーらの研究グループが5万人以上の女性看護師を対象に行った2004年の調査によると、テレビの視聴時間が多いほど、肥満と糖尿病のリスクが高い。一日の視聴時間が2時間増えるごとに、肥満の相対リスクは23%、2型糖尿病の発症は14%、統計的に有意に増える(95%信頼区間)。調査において、年齢、喫煙、飲酒、食事の影響は調整している。
  • ハーバード大学医学部のソニア・A・ミラーによると、テレビを長く見る幼児ほど、食生活が悪い。研究結果では、テレビの視聴時間が1時間長くなる度に、1日の摂取カロリーが46カロリー増えていた。実際にテレビが食生活を悪くさせるのかどうかは明らかではないがソニア・A・ミラーは、コマーシャルやテレビを見ながらの食事が、悪い食生活を招くとしている。調査は平均年齢3歳の幼児を対象に行われ、母親達からテレビの視聴時間と食事内容を聞いた。
  • カナダのトロント大学の栄養士ハービー・アンダーソンによる小児肥満症の研究において、子供がテレビを見ながら食事をすると肥満になる可能性が高まることが分かった。研究結果によると、テレビを見ながら昼食を食べる子供は、テレビを見ない子供に比べて228カロリー余分に多く摂取している。テレビを見ながら食事をすると、いつ食事を止めるべきかの判断力が奪われてしまうからである。
  • テレビを見て過ごすことは、体重増加、過体重、肥満の危険因子として指摘されている。
  • 韓国のテレビ番組の実験ではテレビの視聴をやめることは、夫婦間の関係を改善するなどの利点があった。実験は、ケーブルテレビの教育チャンネル「EBSテレビ」が韓国南部の離島、多浪島で3週間にわたって行った。同島の村に住む全28人の住民を対象に、各家庭には監視カメラを設置し、テレビの視聴を禁じた。実験終了後のアンケート調査では、大半の被験者は以前よりもテレビの視聴時間を減らし、読書や夫婦間の対話、宗教活動が増え、精神的に豊かになったと感じていた。
  • 注意欠陥障害

  • ワシントン大学小児科学部のディミトリ・クリスタキス博士によると、乳幼児期にテレビの視聴が多いほど、注意欠陥障害になる可能性が大きい。1歳と3歳の2,623人を調査した。視聴時間が1時間増えるごとに、7歳時に注意欠陥障害になる可能性が10%増えた。
  • 暴力の誘発

  • メアリー・G・バーク医学博士によると、テレビ、ビデオ、コンピュータ・ゲームといった映像メディアと子供の行動の関係についての数々の研究において、映像メディアの視聴時間と子供の暴力性は関連があり、映像メディアを見る時間が少ないほど子供の攻撃性は弱まる。映像メディアの過剰な視聴は子供の行動を堕落させることが示されている。過剰な映像メディアの視聴が原因で精神障害が起きたあるいは悪化した事例もあり、メアリー・G・バーク医学博士が治療に当たった6歳の子供は衝動的攻撃性を持ち、在学に支障を来すほど症状は深刻で、最初は注意欠陥・多動性障害(ADHD)と診断された。この児童は就学前から毎日3、4時間テレビを見ていたが、見ていたのは一般向け番組だけであった。この児童は感情を表すことがなく、特に楽しいという気持ちが欠如していた。しかしバークが遊技治療を行い、6か月にわたりテレビ視聴時間を週4時間に減らした結果、この児童は喜びの感情を表すようになり、攻撃的な行動は減った。
  • 日本の1998年の内閣府調査では、テレビの暴力シーンを多く見る子供ほど暴力を振るいやすいなどといった影響があると結論づけている。調査対象となった子供は小学6年生と中学2年生、3,242人だった。この調査では、テレビの暴力シーンを見た量を「上位群」「中位群」「下位群」に分け、暴力シーンを多く見た量が多いほど、最近1年間で暴力行為を経験した子供の割合が多かった。一方、暴力被害に遭った子供の数は暴力シーンを見た量との関連は見られなかった。また非行・不良行為の経験と暴力シーンを見た量に関連が見られた。暴力シーンを見る量が多いほど非行・不良行為の経験をした子供の割合は多かった。「相手からやられたら、やりかえしてもよい」「男がケンカをするのはあたりまえだ」といった「暴力の許容性」についての調査は、調査項目7項目中5項目において、暴力シーンを見る量が多い子供ほど、暴力を許容する内容に賛成する子供の割合が多かった。「被害者への共感性」の調査では、暴力シーンを多く見る子供ほど、暴力被害者のつらさに対する共感性が低かった。また保護者への同内閣府調査で「Vチップ」制度について聞いたところ、「積極的に導入すべきである」と「導入を検討すべきである」を合わせて、父親が42%、母親が45%だった。「導入の必要はまったくない」と「あまり導入の必要はない」は、父親が46%、母親が34%だった。
  • 科学誌サイエンスに載ったマックス・ワイスらの研究によると、テレビ番組で黒人差別をする発言があからさまに言われなくとも、テレビで描かれるふるまいや行動が、視聴者の黒人に対する差別的な見方や行動を生み出すという。すなわち言葉の情報ではなく非言語的な情報が、人々の思考や行動に影響を及ぼしていることになる。バイスブーフらの研究では、偏見の非言語的な描写を含む番組を見る頻度と個人が持つ偏見に関連があることが分かった。
  • こどもへの影響

    米国のこどもは1日平均3時間テレビを見ており、高校卒業までに合計3年間テレビ視聴に費やしていることになる。また近年は生活習慣病の低年齢化も進行しており、I型糖尿病だけでなく小児でもII型糖尿病が増加し、小児肥満も増加している。米国の調査ではテレビの視聴時間が長い小児ほど肥満の率が高い。テレビの長時間視聴によって運動時間が減り、野菜や果物の摂取量が少なくなるという報告がなされている。CMや番組等でのハンバーガーやスナック菓子やソフトドリンクの映像による刺激がそうした症状の原因のひとつともなっている。エレン・ラペル・シェルは食品業界にとって小児が大きなターゲットとなっており「家族の食費の鍵を握るのは子供である」といっている。

    心理学者のAric Sigmanはテレビの視聴は子供の健康に悪影響を与え、幼児期におけるテレビの視聴が多いほど、睡眠時間も不規則になり、免疫システムにも悪影響をおよぼし、自閉症や視力低下、肥満を引き起こす。また、テレビの視聴はホルモン「メラトニン」の分泌を抑制し、その結果DNA変形を引き起こし、癌の原因になる可能性がある。そのため、3歳未満の子供はテレビを観るべきではないと言っている。また毎日視聴する場合はアルツハイマー疾患の可能性も高くなる。またテレビ視聴を減らすことで、国民健康保険制度(National Health Service、NHS)の負担を減らすこともできると提言している。

    カナダのモントリオール大学と米国ミシガン大学の研究では、幼児期にテレビを長時間見ていた子供は、学校での適応能力の欠如、いじめに遭いやすい、数学などの学力低下、運動不足、ジャンクフードの過食、肥満度(BMI)が高いといった問題が起きると発表した。

    日本小児科学会こどもの生活環境改善委員会は、乳幼児にテレビを長時間見せると、言語発達が遅れる危険性があるとして、2歳以下の子供にテレビを長時間見せないことを提言している。同委員会によると、子供に知識を教えるためにテレビを見させる親もいるが、言語能力は大人との双方向の関わりが必要であり、一方的に聞くだけでは発達しない。同委員会の調査結果では、子供の長時間視聴は、1歳6か月の時点における意味のある言葉(有意語)の出現の遅れと関係があった。

    日本の文部科学省は2003年から2004年にかけての調査でTVゲームが予想以上に暴力性を誘発すること、視力低下などは確認されたが、社会的不適応といった問題については有用性も認められるともし、今後、悪影響とよい影響の双方から多角的に研究すべきとした。

    アメリカのランド研究所の研究によると、10代の男女は、性描写のあるテレビ番組を見る子供ほど妊娠する・させる可能性が高い。また性描写を含むテレビ番組を最も多く見る子供は、最も見ない子供と比べて妊娠する・させる可能性が2倍だった。

    中国の「華西都市報」によると、14歳の少年がアニメ『トランスフォーマー』に影響されてガソリンを5年間飲み続けていたことで、知能障害に陥っていることが分かった。同作品のキャラクターがガソリンの補給でパワーアップする姿に感化されたという。少年は以前、ガスを吸い込んでいたという経緯もあった。

    行政の対応

  • 鳥取県西伯郡南部町では、南部町教育振興会が毎月1日と15日に、テレビを見ないよう町民に呼びかける「町内一斉ノーテレビデー」キャンペーンを実施している。生活習慣の改善や親子のふれあいを増やすことなどを目的としている。また、テレビを長時間視聴すると前頭葉が働かなくなり、怒りっぽくなったり、集中力や記憶力の低下などの症状がでると警告している。
  • テレビに関する啓発映画

    1950年代から1960年代にかけて、テレビの構造や原理などを紹介するための短編映画が2本制作されている。

    一つは日本に於けるテレビ本放送が始まる前の年(1952年)にNHKの協力を得て日映科学映画製作所が制作した『テレビジョン』で、テレビ(受像器)及びテレビカメラの原理の紹介の他、本放送開始を前にしてNHKのテレビ実験局で行われたスタジオ収録の様子なども紹介されている。

    もう一つはカラー本放送開始の翌年(1961年)に松下電器産業(現・パナソニック)の企画の下で東京シネマが制作した『電子の技術-テレビジョン-』で、こちらはテレビを一電化製品として捉え、その原理や構造を細かく紹介しているほか、テレビの製造現場の様子も映し出されている。

    これら2本の短編映画は、現在、科学映像館(NPO法人・科学映像館を支える会)のWebサイト上に於いて無料公開されている。



    ※ 参照元:https://ja.wikipedia.org