クエン酸について調べてみた件

153 °C, 426 K, 307 °F

175 °C, 448 K, 347 °F (分解)

クエン酸(クエンさん、citric acid)は、示性式 C(OH)(CH2COOH)2COOH で、柑橘類などに含まれる有機化合物で、ヒドロキシ酸のひとつである。

漢字では「枸櫞酸」と記される。枸櫞とは漢名でマルブシュカン(シトロン)を指す。レモンをはじめ柑橘類に多く含まれていることからこの名がついた。柑橘類の酸味の原因はクエン酸の味に因るものが多い。また、梅干しにも多量に含まれている。

性質

化学式C6H8O7、分子量は192.125。CAS登録番号は(無水物)、(一水和物)。カルボキシル基を3個有する弱酸で、爽やかな酸味を持つことから食品添加物として多用される。IUPAC名は2-hydroxypropane-1,2,3-tricarboxylic acid

水溶液は弱酸性(pKa = 2.87)を呈する。常温で無色あるいは白色の固体であり、無水物と一水和物の結晶がある。両者とも揮発性は無く無臭である。一水和物は加熱すると100 °Cで融解し、130 °Cに保つと融点153 °Cの無水物となる。175 °C以上では分子内脱水によりアコニット酸となる。金属イオンとキレート錯体を作ることが知られている。

生体内物質

クエン酸は、生体内ではクエン酸回路の構成成分であり、オキサロ酢酸とアセチルCoAとの反応によって生成する。また、クエン酸は、クエン酸回路でアコニット酸ヒドラターゼ(EC 4.2.1.3)によってcis-アコニット酸を経て異性化されイソクエン酸となる。またクエン酸は解糖系のホスホフルクトキナーゼ活性を阻害し、解糖系からクエン酸回路への流入を調節する因子の1つでもある。

製法

潮解性があるので保存には注意が必要。工業的にはデンプンあるいは糖をコウジカビの一種 Aspergillus niger で発酵させて作られている。

利用

各種サプリメントの成分として多用される。しかし、5km走での実験から、運動成績を有意に向上させることが報告されたが、その後否定されている。このほか、高強度運動や600m走でも運動成績には影響がないことが示されている。運動後はブドウ糖を単体でとるよりも、そこにクエン酸を加えた方が、グリコーゲンを多く貯蔵できる。

日本薬局方収載品であり、薬局などでも市販されている。クエン酸の塩はカルシウムイオンとキレート結合するので、かつては検査用血液サンプルの抗凝固薬などとしても利用された。現在でも成分献血時にクエン酸ナトリウムとともに抗凝固薬として使用される。クエン酸ナトリウム・クエン酸カリウム合剤(商品名ウラリットR配合錠)は尿をアルカリ化させ尿酸の排泄を促進することから痛風に代表される高尿酸血症の治療薬として処方され、尿路結石や代謝性アシドーシスの治療にも使用される。

食品添加物でもあり、清涼飲料水を始め各種の加工食品に添加される。炭酸カルシウムを容易に溶かすことから電気ポットや加湿器内部に溜まった水垢の洗浄にも用いられる。

肥料の成分がクエン酸の2%水溶液に溶解する性質を「く溶性」という言葉で表すが、これは植物の根が分泌する根酸には溶けにくいがもう少し強い酸には溶けることを意味し、徐々に溶け出してゆっくり吸収されることを示す。

クエン酸塩

アルカリ金属塩の正塩はいずれも水に可溶、アルコールに難溶で水溶液は弱アルカリ性を示す。重金属塩は水に不溶なものが多いが、クエン酸イオンが過剰にあると複数配位することで水溶性となるものもある。

出典

関連項目

  • ヒドロキシ酸
  • TCA回路
  • ※ 参照元:https://ja.wikipedia.org