アイアムアヒーローについて調べてみた件

アイアムアヒーロー』(I Am a Hero)は、花沢健吾による日本の漫画。漫画雑誌『ビッグコミックスピリッツ』(小学館)にて、2009年22・23合併号から2017年13号まで連載。

概要

謎の感染症による平凡な日常の崩壊を描いたSFホラー漫画。当作品は「生ける死体」を題材とした作品ジャンルの一つではあるが、連載開始時は、単行本ほぼ一巻分を主人公の日常を描くことに割き、パンデミック後も「日常性の崩壊」と「災害」が仔細かつ淡々と描かれる。 さらに主人公を始め、様々な形で「これまでの社会に劣等感を抱いていた者」を中心に、不条理に対する人々の行動にスポットを当てている。

マンガ大賞2010で4位、マンガ大賞2011で3位。第58回(平成24年度)小学館漫画賞一般向け部門受賞。

2016年に実写映画が公開。この制作発表時には、作中の感染者を表すZQNが「ゾンビ」であると表現された。

あらすじ

主人公・鈴木英雄は、さえない35歳の漫画家。デビュー作は連載開始後半年で早々に打ち切られ、借金も背負い、アシスタントをしながら再デビューを目指し、ネームを描いては持ち込む日々が3年を経たが、出版社には相手にされない悶々とした日常を過ごしている。そんな無為な日常の中の救いは、恋人である黒川徹子の存在。だがその彼女も、すでに売れっ子漫画家になった元カレを何かと引き合いに出し、酔うたびに英雄の不甲斐なさをなじる始末であった。

そんなある日、全国的に「噛み付き事件」が多発する。町に増えてゆく警官の数、さらには厚労相が入院して、その入院先で銃撃戦が起こるといった報道が立て続けに起こる。英雄も深夜、タクシーに轢かれて両腕と右足が潰れ、首が真後ろに折れても運転手に噛み付き、奇声を発し立ち去る女性を目撃する。やがて、周囲の人々がゾンビのような食人鬼と化す謎の奇病が蔓延し、「ZQN」と呼ばれる感染者たちが街に溢れる。恋人や仕事仲間も犠牲となり、都内から逃亡した英雄は富士の樹海で女子高生・早狩比呂美、御殿場のアウトレットモールで看護師・藪(小田つぐみ)と出会い行動を共にする。

半感染状態となった比呂美の免疫力を「人類の希望になるかもしれない」と考える小田の提言から、一行は東京方面を目指していく。

引きこもり・江崎崇はネット上の匿名掲示板を介して来栖と呼ばれる人物が率いる一派に加わり、アジトに招かれる。一派はZQNの生態を観察しつつ暮らしていた。近隣の中学校に生存者がいると知り偵察の準備をする中、ZQNがアジトへ侵入し仲間の一人が感染、さらに身を挺する形で噛まれた江崎は半感染となる。アジトを追われた一派は中学校へと移動し、そこで「ZQNの巣」と遭遇する。江崎は同じく半感染のスコップの男と出会い、来栖も巻き込んだ半感染者たち三つ巴の戦いの末に勝利する。来栖に成り代わった江崎は久喜幕府を名乗り一派を率いて東京へ向かう。

漫画家・中田コロリは池袋の高層ビルに籠城し、補給隊隊長としてガソリンを集めさせられていた。高層ビルの支配者であり「浅田教」を主宰する浅田曰はく、脱出用ヘリコプターの燃料として必要だという。コミュニティに不満を持つ隊員達からクーデターを持ち掛けられるが、不安要素が多く実行には移せずにいた。コロリが悩むその最中に久喜幕府がヘリコプターを奪取するため高層ビルのコミュニティを襲撃する。襲撃の際に大量のZQNがビル内へ流れ込み、さらには火災が発生し大混乱に陥る。それぞれが屋上のヘリコプターを目指し戦闘の末に高層ビルから脱出する。

人間とZQNを交えた戦いは終わり、街には草木が生い茂る。英雄は一人、廃墟となった池袋で生き延びるために新しい日常生活を始める。

登場人物

名前の読みや本名(フルネーム)は明確に判明していない限りそのまま表記する。

主要キャラクター

英雄の仕事関係

富士で出会う人物

アウトレットモールのコミュニティ

来栖一派(久喜幕府)

高層ビルのコミュニティ

ベルギー

イタリア

スペイン

江ノ島で出会う人物

感染

感染者(ZQN)

病状が発症すると、全身の血管が浮き出た外見となり、感染していない人間(非感染者)に噛みつきで襲いかかる。発症後は驚異的な身体能力を持つ。指で自分の目をつぶすなどの自傷行為に及ぶことがあり、車にはねられたり階段や高所から落ちたりしても、何事もないかのように動き回る。また四足歩行(ブリッジ姿勢)で走るなど肉体的に不可思議な行動をとる者もいる。

半感染(クルス・狂巣)

例外的に比呂美や江崎など発症後も生体としての死には至らず意識を保っている者もわずかに存在する。発症後は驚異的な身体能力を持ち、興奮状態になると右目および顔面右側に血管が浮き出た外見になる。また半感染者同士での意思疎通やZQNのコントロールなども可能となる。

武器・装備

現実社会と同じく銃刀法が敷かれた日本を舞台としているため、同じジャンルの作品とは異なり銃器類がほとんど登場せず、生存者は国内でも比較的入手が安易な日用・農業用・狩猟用・スポーツ競技用の道具類を武器として転用している。コミュニティ毎に装備の特色があり、近隣のホームセンターや専門店から調達していることが伺える。

  • 散弾銃(新SKB MJ-7、ミロク MSS-20)
  • 野球バット
  • 三徳包丁
  • カッターナイフ
  • 潤滑スプレー
  • 使い捨てライター
  • ピストルクロスボウ
  • エアソフトガン
  • 手斧
  • 玄能
  • プラスチックハンマー
  • サバイバルナイフ
  • マチェット
  • 手斧
  • ククリナイフ
  • クロスボウ(TAC-15)
  • 菜切り包丁
  • 刈払機
  • 丸椅子やパイプ椅子
  • スリングショット
  • ストッキング
  • 草焼きバーナー
  • 書誌情報

  • 花沢健吾 『アイアムアヒーロー』小学館〈ビッグスピリッツコミックススペシャル〉、全22巻
  • 2009年08月28日発売、ISBN 978-4-09-182580-3
  • 2009年12月26日発売、ISBN 978-4-09-182779-1
  • 2010年05月28日発売、ISBN 978-4-09-183157-6
  • 2010年08月30日発売、ISBN 978-4-09-183377-8
  • 2010年12月25日発売、ISBN 978-4-09-183534-5
  • 2011年05月30日発売、ISBN 978-4-09-183827-8
  • 2011年09月30日発売、ISBN 978-4-09-184050-9
  • 2012年01月30日発売、ISBN 978-4-09-184246-6
  • 2012年05月30日発売、ISBN 978-4-09-184512-2
  • 2012年10月30日発売、ISBN 978-4-09-184729-4
  • 2013年02月28日発売、ISBN 978-4-09-184880-2
  • 2013年06月28日発売、ISBN 978-4-09-185240-3
  • 2013年10月30日発売、ISBN 978-4-09-185574-9
  • 2014年02月28日発売、ISBN 978-4-09-185877-1
  • 2014年06月30日発売、ISBN 978-4-09-186284-6
  • 2014年12月26日発売、ISBN 978-4-09-186668-4
  • 2015年05月29日発売、ISBN 978-4-09-187020-9
  • 2015年11月30日発売、ISBN 978-4-09-187309-5
  • 2016年03月15日発売、ISBN 978-4-09-187470-2
  • 2016年04月12日発売、ISBN 978-4-09-187530-3
  • 2016年10月28日発売、ISBN 978-4-09-189221-8
  • 2017年03月30日発売、ISBN 978-4-09-189379-6
  • スピンオフ

    アンソロジー

    8 TALES OF THE ZQN

    内容は各漫画家による本作をトリビュートされたアンソロジー作品。「週刊スピリッツ」(2016年12月号)より順次掲載されたものをコミックス発売された。

  • 「私がZQNになっても。」 – 水沢悦子(代表作:花のズボラ飯)**時系列では本編19巻の末と重なっている。男女のカップルが、生前の習慣に従って行動するZQNの特性を利用して、ZQN化後も2人で愛し合おうと性行為に励む物語。
  • 「Ghost of a Smile」 – 横槍メンゴ(代表作:クズの本懐)
  • 世界がZQNパニックに陥る以前の物語。本編のヒロインの早狩比呂美、同級のの紗衣、紗衣の元交際相手で現在は比呂美と交際している真司を中心に描かれている。
  • 「ゾンビのいるところ」 – 石黒正数(代表作:それでも町は廻っている)
  • ZQNパニックから半年後、復興の途中にいる日本を描いた物語。ZQNと化した人間の人権主張、ゾンビの歩行を利用した発電所などが描写される。
  • 「思春期オブ ザ デッド」 – オジロマコト(代表作:富士山さんは思春期)
  • 夏祭りの最中にZQNパニックに巻き込まれた男女の物語。死と隣り合わせの緊張状態と、ラブコメディが同居している。
  • 「シーイズアスローウォーカー」 – 伊藤潤二(代表作:富江)
  • ゾンビマニアのカップルにスポットを当てた物語。慎一と悠美は、ゾンビは早く動くか鈍く動くかで口論になる。怒った悠美はアパートを飛び出すが、その直後に腕を噛まれて部屋へと戻る。部屋の外にはのゾンビが押し寄せており、町では無数のゾンビが人間を襲っていた。慎一はゾンビのウイルスに感染したのを危惧して悠美を拘束し、備蓄していた食料を当てに籠城する。食事の途中、悠美は力尽きて倒れる。悲しみに暮れる慎一は悠美の姿をビデオカメラに撮影し、遺体に添い寝する。翌朝慎一が目を覚ますと、悠美が今にも噛みつこうと迫っていた。慎一は飛び退いたが悠美は全く動かなかった。不思議に思った慎一がビデオカメラの映像を確認すると、悠美は一晩で10cm程度しか動かないほど、ゆっくりとした速度で動いていた。
  • 「鬼さんこちら」 – 鳥飼茜(代表作:先生の白い嘘)
  • 「アイアムノットアヒーロー」 – 乃木坂太郎(代表作:医龍)
  • 高校の一クラスがZQNで溢れた学校から逃げ出すまでの物語。
  • 「アイアムアヒーロー誕生秘話」 – 吉本浩二(代表作:ブラックジャック創作秘話)
  • アイアムアヒーロー THE NOVEL

    映画化を記念して刊行されたアンソロジー小説集。2016年4月17日に小学館から発売された。

  • 「十七最の繭」朝井リョウ
  • 「ZQN再生」中山七里
  • 「光」藤野可織
  • 「一筋の希望」下村敦史
  • 「GAME is OVER」葉真中顕
  • 「消え残る」佐藤友哉・島本理生
  • カバーイラスト:花沢健吾
  • ブックデザイン:鈴木成一デザイン室
  • ISBN 978-4-09-187678-2

    映画

    2016年4月23日より全国東宝系にて公開。R15+指定。

    キャスト

  • 鈴木英雄 – 大泉洋
  • 早狩比呂美 – 有村架純
  • 藪(小田つぐみ) – 長澤まさみ
  • 伊浦 – 吉沢悠
  • サンゴ – 岡田義徳
  • てっこ(黒川徹子) – 片瀬那奈
  • 中田コロリ – 片桐仁
  • 松尾 – マキタスポーツ
  • 三谷 – 塚地武雅(ドランクドラゴン)
  • アベサン – 徳井優
  • タクシー運転手 – 村松利史
  • 千倉 – 風間トオル
  • ZQN – カズレーザー※「カネコ」名義(メイプル超合金)
  • ZQN – 安藤なつ(メイプル超合金)
  • スタッフ

  • 原作 – 花沢健吾『アイアムアヒーロー』(小学館『週刊ビッグコミックスピリッツ』連載中)
  • 監督 – 佐藤信介
  • 脚本 – 野木亜紀子
  • 音楽 – ニマ・ファクララ
  • 劇中歌・エンディング – Allie Goetz「hone on the range」
  • 製作 – 市川南
  • 共同製作 – 寺島ヨシキ、久保雅一、中村理一郎、田中晃、岩田天植、弓矢政法、高橋誠、千代勝美、吉川英作、都築伸一郎、板東浩二、宮本直人
  • エグゼクティブ・プロデューサー – 山内章弘
  • プロデューサー – 山﨑倫明、城戸史朗
  • 共同プロデューサー – 岡本順哉
  • 音楽プロデューサー – 志田博英
  • プロダクション統括 – 佐藤毅
  • ラインプロデューサー – 竹山昌利、桜井勉
  • 韓国ユニットラインプロデューサー – 鈴木勇
  • 撮影監督 – 河津太郎
  • 美術 – 斎藤岩男
  • 特撮 – 神谷誠
  • 録音 – 横野一氏工
  • 編集 – 今井剛
  • 助監督 – 藤江儀全
  • キャメラオペレーター – 田中悟
  • ガファー – 中野創平
  • 装飾 – 大坂和美、篠田公史
  • CGディレクター – 土井淳
  • アクションコーディネーター – 下村勇二
  • 特殊メイク・特殊造形統括 – 藤原カクセイ
  • 衣装デザイン – 宮本まさ江
  • スクリプター – 田口良子
  • 製作担当 – 大谷直哉
  • 音楽コーディネーター – 杉田寿宏
  • 配給 – 東宝
  • 製作プロダクション – 東宝映画
  • 製作 – 映画「アイアムアヒーロー」製作委員会(東宝、エイベックス・ピクチャーズ、小学館、電通、WOWOW、博報堂DYメディアパートナーズ、ジェイアール東日本企画、KDDI、TOKYO FM、日本出版販売、小学館集英社プロダクション、ひかりTV、GYAO!)
  • 製作

    静岡県浜松市および韓国のアウトレットモールにおいて2014年夏に撮影が行われた。

    韓国ロケ中においては発砲シーンで実銃が使用され、主演の大泉は本物の散弾銃の撃ち方や構え方をトレーナーの指示を受けながら練習していた。

    受賞

  • 第48回シッチェス・カタロニア国際映画祭(2015年)
  • コンペティション部門・観客賞
  • コンペティション部門・最優秀特殊効果賞
  • 第36回ポルト国際映画祭(2016年)
  • コンペティション部門・観客賞
  • コンペティション部門・オリエンタルエキスプレス特別賞
  • SXSW 2016(2016年)
  • ミッドナイターズ部門・観客賞
  • ジャパンアクションアワード(2017年)
  • ベストアクション作品賞 最優秀賞
  • ドラマ

    アイアムアヒーロー はじまりの日』(アイアムヒーロー はじまりのひ)と題した映画版のスピンオフ作品で、長澤まさみ演じる藪(小田つぐみ)が主人公となる。2016年4月から「dTV」で配信。「アイアムアヒーロー」の前日譚で小田つぐみの看護師時代のエピソードが描かれている。

  • スタッフ
  • 原作・監修 – 花沢健吾
  • 監督 – 長江俊和
  • 放映期間 – 2016年04月09日~2016年04月09日
  • 放映回数 – 計5回
  • リアル脱出ゲーム

    2016年3月から東京水道橋にある常設スタジオ後楽園ヒミツキチオブスクラップにてSCRAP主催の体感型謎解きイベントであるリアル脱出ゲームある病院からの脱出』が約5ヶ月のロングランで開催している。参加者は受付時に貸与したタブレット端末に表示される情報を頼りに様々な謎を駆使して、1時間以内に廃墟になった病院内をくまなく探索し、ZQNを銃殺(脱出)することがクリア条件。また制限時間内にクリアできなかった場合でも追加料金を支払うだけで制限時間を延長してもらえるサービスを導入している。

    ※ 参照元:https://ja.wikipedia.org